映像制作で使える補助金・助成金を徹底解説!

公開日:2023/03/02  最終更新日:2023/08/25

近年、映像を用いたマーケティングが主流になりつつあります。自社のブランディングやPR、採用などにも映像を活用する企業が増えています。

一方、映像制作には高額な費用がかかるため、導入に踏み出せない中小企業も多いです。そのような企業を支援するために、国や自治体が補助金や助成金制度を設けています

本記事では映像作成で代表的な補助金制度を紹介し、内容や特徴を詳しく解説します。これから利用を検討している方は、自社が対象に入るかも確認してみてください。

補助金と助成金

国や自治体が支援する給付には、助成金と補助金があります。

補助金とは経済産業省が交付する、経済や地域活性化を目的とした給付金で、主に事業支援です。対して助成金は、雇用や労働環境の改善を目的として、厚生労働省が交付する労働支援です。

助成金は要件を満たしていれば誰でも受給できるのに対し、補助金には審査があります。申請についても、随時や長期間と申請しやすい助成金に対し、補助金は期限が限られています。

また、地方自治体で行っている補助金もあるので、逐次チェックしてみてください。映像制作でも受けられる補助金によって要件や申請方法が異なるので、自社に適応できるものを選びましょう。

J-LOD

J-LODは、企業のブランディングやコンテンツ産業の海外展開を目的とし、訪日外国人の促進につながる活動に対して補助します。

補助対象事業や対象者

補助の対象となる事業は、デジタル配信を行うことやブランディングを目的とした、ストーリー性のある映像であることが前提です。

ジャンルは特定されていませんが、商品宣伝用ではなく、効果測定する必要があります。効果検証も補助金対象となります。

コンテンツの内容は最長15分以内で、4分位以上の映像には、ダイジェスト版が必要です。ストーリー性とは具体的に、宣伝的な意図がなく、エンタメ性や共感といった、ファンになれるような映像のことを指します。

また、対象となるのは法令に基づき設立された企業や、地方自治体で定められた公共団体です。さらに、本業務を遂行するための適切な人員や、資金が十分保たれ管理できていることが必要です。

補助上限額や対象経費

補助金の上限は1,000万円で、補助率は2分の1になります。補助対象経費は、脚本や出稿費、スタッフ人件費、撮影にかかる費用全般、旅費、配信にかかる費用全般、効果測定や検証費などです。

申請方法

2022年度の申請は終了しましたが、2022年度の応募期間は2022年3月17日~9月30日、事業期間は交付決定日から2023年2月28日まででした。また、補助金の予算がなくなり次第終了するので、申請は早めに行いましょう。

J-LODの特設サイトには、採択事例集も掲載されているので参考にしてください。2020年度は31件 が採択され、その8割が中小企業で、理念やサービスに対する考え、採用などの内容でした。

小規模事業者持続化補助金

一定の要件を満たした小規模事業者の事業に、日本商工会議所や商工会が行う支援を、小規模事業者持続化補助金といいます。事業計画の作成や申請には、商工会議所の承認が必要です。

また、補助金には従来の「一般枠」と、新型コロナ感染症対応を踏まえた「低感染リスク型ビジネス」があります。

補助対象事業や対象者

対象事業は、事業の販路開拓を目的とした映像制作です。具体的には商品やサービスのPR映像で、映像はYouTubeや展示会などで上映するものも対象となります。

対象者は、小規模事業者、個人事業主、一定の要件を満たしたNPO法人です。小規模事業者では、業種により常時雇用の従業員数が指定され、商業やサービス業は5人以下、宿泊業と娯楽業、その他の製造業などは20人以下となっています。

映像制作の補助金制度の中でも、対象範囲が広く利用しやすいのが特徴です。

補助上限額や対象経費

一般枠の補助上限は最大50万円で、補助率は3分の2です。

映像制作で対象となる費用は、開発費、委託費や外注費、広報費などです。使用目的が本事業遂行に必要と特定できるもの、補助の交付決定日から対象期間中に支払いされたもの、支払い金額が明確に確認できるものに限られます。

なお、制作動画を補助事業期間中に公開できない場合も、経費と認められません。

申請方法

第11回受付は2023年2月20日に終了します。第12回以降の予定はまだ発表されていません。

申請には、管轄の商工会議所や商工会の指定した、事業所支援計画書の書式が必要です。所属先は、地方自治体に問い合わせれば教えてくれます。

手続きをはじめ、実績報告、請求や事業効果報告まで、事業者の負担が多いので注意してください。

第10回の採択率は64% でした。東北経済産業局では採択事例を掲載しており、市場にマッチした自社のPRや、IT化への取り組みも評価を上げるポイントです。

事業再構築補助金

事業再構築補助金は、新型コロナウイルス感染症の影響や、変化に対応する中小企業の新分野への展開、業種や業態転換などの事業再構築を支援する補助金です。また、事業の成長率を高めたり、海外展開に挑戦したりする企業を支援し、新規事業への取り組みにかかる広告宣伝を目的とした、映像制作にも申請できます。

補助対象事業や対象者

補助対象は、任意の3か月の合計売上高が、コロナ前より10%以上減少した企業で「事業再構築指針」に基づき、認定経営革新等支援機関等と共同で、事業計画書を策定する必要があります。

また、日本国内に本社を持つ中小〜中堅企業であり、対象になる枠が5つあります。それぞれ対象者が異なりますが、ほとんどの場合は上記に挙げた条件となる「通常枠」です。

それ以外のものは通常枠に追加要項があります。申請の際には、公式サイトで確認してください。

補助上限額や対象経費

補助上限額も枠により異なります。通常枠では、従業員数で金額が変わり、20人以下では100〜2,000万円まで、最大額は101人以上の場合の8,000万円です。補助率は中小企業で2分の1、中堅企業は3分の1となります。

ほかの枠ではさらに高額の補助が出る場合もあるので、要件に該当するものを選びましょう。対象経費は、本事業で開発やサービスの広告作成や掲載、海外を含む展示会やセミナーの開催、マーケティングなど、新規事業を目的とした映像制作にかかる費用が考慮されます。

ただし、応募にはこれらの経費が申請できますが、交付時には審査に通過したもののみが対象となります。

申請方法

第9回の公募は、令和5年2月15日に開始し、応募締め切りは令和5年3月24日です。

詳細は、事業再構築補助金事務局ホームページで確認してください。また、同サイト内の「事例集」では、映像制作による事業再構築の具体例を紹介しています。

採択された企業は飲食サービス、小売業や宿泊業が全体の6割を占めます。第4回までの採択率は40% と、他に比べるとやや厳しい印象です。事業計画書には必要事項をしっかり記載しましょう。

その他の補助金

ものづくり補助金

ものづくり補助金は、中小企業が経営革新のため、新しいサービスの開発や生産性向上に必要な設備投資などを支援する補助金です。小規模事業者や中小企業など、製造業やものづくりを行う企業を対象としています。

ものづくり補助金の特徴として、外注費やクラウドサービス利用費なども対象になっており、動画制作でも補助金の対象となる可能性があります。しかし、動画制作に適応されるのはグローバル市場開拓(JAPANブランド)類型のみとなるので注意しましょう。

グローバル市場開拓(JAPANブランド)類型は海外顧客に対して市場を開拓する事を目的としており、広告宣伝費や販売促進費も補助対象となっています。

■補助金額
補助金額は通常枠・回復型賃上げ/雇用拡大枠・デジタル枠・グリーン枠・グローバル市場開拓枠の5つに分かれており、それぞれ異なる補助額が設定されています。

・通常枠:最大1,250万円
・回復型賃上げ/雇用拡大枠:最大1,250万円
・デジタル枠:最大1,250万円
・グリーン枠:最大4,000万円
・グローバル市場開拓枠:最大3,000万円

IT導入補助金

IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者を対象に、経営課題や需要にあったITツールを導入することで、業務効率化や売り上げの向上を目的としています。

補助対象となるITツールには、ソフトウェア購入費やクラウド利用費、導入関連費、パソコンやタブレットなどのハードウェア購入費が含まれ、動画制作に必要なITツールの導入が対象となります。しかし、ITツールであればどれでも補助金の対象となるわけではないので注意しましょう。

■補助金額
補助金額は通常枠(A類型・B類型)セキュリティ対策推進枠・デジタル化基盤導入類型の4つに分かれており、それぞれ異なる補助額が設定されています。

A類型:最大150万円
B類型:最大450万円
セキュリティ対策推進枠:最大100万円
デジタル化基盤導入類型:最大350万円

事業PR・販売促進支援助成

事業PR・販売促進支援助成は、東京都品川区が提供している補助金制度です。品川区内品川区に本社や事業所を構えている中小企業や個人事業主を対象としており、企業PRを目的として制作する動画にかかる経費を補助します。

企業の宣伝・広報活動に使用する動画制作に対して補助が行われ、会社紹介動画、商品紹介動画やサービス紹介動画など、企業のプロモーションや広報に役立つ動画制作に役立てられます。

■補助金額
事業PR・販売促進支援助成の助成金額は、最大で20万円です。審査によって、助成額が決まるため、申請した助成金額と交付額が異なる場合があります。

また、上記以外にも、各地自体によって動画制作に活用できる補助金制度があります。たとえば、札幌市だと「映像制作補助事業」が展開されており、最大で1,000万円の補助が可能です。企業ブランディングや販路拡大を図るための動画制作にかかった費用の一部が補助されます。

しかし、住んでいる自治体によって動画制作で活用できる補助金制度を実施しているかは異なります。各自治体のホームページを確認し、対象となる補助金制度があるか確認してみることをおすすめします。

まとめ

映像制作の際に活用できる補助金制度は複数ありますが、それぞれ対象とする目的が設定されており、対象となる事業や経費、補助上限額なども異なります。自社の制作した映像や事業目的に適した補助を利用することで、補助の目的に一致するため審査に通りやすくなったり、適正な受給を受けられたりできます。

また、応募期間が決まっていたり申請書類の提出方法が指定されていたり、要件がたくさんあります。補助を受けたい場合は早い段階から準備し、申請方法や応募要項をしっかり確認しておきましょう。

補助制度は今回紹介したもの以外にも、地方自治体が行なっている補助金や、助成金もあります。逐次チェックしてみてください。

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